8月12日  曇
AM 4:30頃、目覚めた。昨夜からの、熱は若干下がっているようだった。しかし立って歩くと頭が重い。『病は気から・・・』と言う言葉があるので、気持ちをいい方向に持つようにして行くようにしていた。今日は、今回の東北ツーリングでのクライマックス八甲田山の幻の秘湯『田代元湯』に行く日だ。しかしこの体調ではどうかと思うが、ここまで来て行かないのは後で後悔すると思ったので強行的に行く事にする。早速、重い頭を耐えながら、テントの撤収を開始。AM 8:15宇樽部キャンプ場を後にし最初の目的地、銅像茶屋へ向かった。
十和田湖の朝。天候は体調と同じくイマイチだった。
十和田湖畔の宇樽部キャンプ場にて。
十和田湖・宇樽部キャンプ場から、奥入瀬渓流へは向わず、奥入瀬バイパスから八甲田山へ。奥入瀬バイパスは奥入瀬渓流の渋滞の緩和で作られたバイパスなのだが、八甲田山を望む景色で結構いい道だった。奥入瀬バイパスは日本の百名道にも選ばれている。あいにく曇でいい景色には出会え無かったが、このルートは超お勧めルートだ。傘松峠を通過し、萱野茶屋の手前を右折。ここから、雪中行軍遭難地の銅像茶屋へ。ここは明治35年厳冬の八甲田山で起こった雪中行軍の悲劇を後世に伝える為、遭難現場に立つ後藤伍長の像がある。それは田代元湯へ辿り着けるよう後藤伍長の銅像へお願いする為に向かった。
後藤伍長率いる、雪中行軍は田代元湯を目指していたが、あえなく遭難。田代元湯へ辿り着けなかった無念が残っていて、この辺りをうろつく軍人の亡霊が多数目撃されていると聞き、身の毛がよだつ。早速、田代元湯へ行く前に、後藤伍長へお願いした。『出ないで下さい!出ないで下さい!ホントに・・・お願い致しますょ。』純粋な気持ちで田代元湯へ辿り着ける願いと、途中・・・雪中行軍の亡霊?!に出会わないようにお願いし、田代元湯へと向う。
雪中行軍の隊長・後藤伍長の銅像。部隊は田代元湯を目指していたのだが、厳冬の八甲田にて無念の遭難。
銅像茶屋から、県道40号線を東へ1キロ程向った辺りに林道68-69号線の看板があると言う情報を得ていたが、注意してみても林道の看板は無く、合わせて林道らしき道が他にもあった。途中、ダム工事車両が出入りしている林道の入り口に、工事現場のおじさんがダンプの出入りの整理をしていたので、田代元湯への入り口を聞いて見たが、知らないと言う。もしかして、八甲田温泉の方角?!と言うので、そちらへ向って見た。しかし田代元湯への有力な情報は得られず。立ち往生してしまう。知らない林道をこの巨大なアフリカツインで入って、Uターンもままならなかったら、とてつもなく苦しい状況と判断し、半分諦めモードになっていた。田代元湯への入り口が分からずウロウロしていたが、少し温泉でも入って考え直そうと、近くにある八甲田温泉・遊仙に入って一先ず仕切り直す事に。
こちらは内湯。露天同様、白濁湯でいい温泉だった。
露天風呂の源泉口には湯の花がビッシリと付着していた。
いいお湯なので、体調の悪い事も忘れてしまった。
もう一度・・・田代元湯へアタック
する事にし、道を引き返す事に・・・
田代元湯へは、このまま幻で終わってしまうのか・・・折角ここまで来て諦め切れず、もう一度県道40号線を銅像茶屋方面へ戻って見る。するとチャリダーのお兄ちゃんが、先ほどの工事現場のおじさんが立っている林道から丁度出て来たので、追いかけて聞いて見たら、今さっき田代元湯へ行って来た所だと言う情報をゲット!これで林道の入り口が分かったので、早速、工事車両管理のおじさんに一言掛けて田代元湯へ向う事にした。^^
県道40号線を八甲田温泉から銅像茶屋方面に見た田代元湯への林道入り口。左側にバス停らしき広場のすぐ後ろを右折する。
銅像茶屋方面から見た田代元湯への続く林道入り口。(広場の手前側)写真に写っている、林道の看板(黄色い)は今は無い。
林道の入り口付近。この3枚の写真はネットから引っ張って来たものだが・・・林道の入り口左側に何者かが、赤いテープらしきものが巻きつけてあったので、これを目印に・・・
いよいよ、林道の袋小路にバイクを置き、田代元湯へ向かう。林道の行き止まりは7〜8台は停められようかと言う広場になっていた。そこにバイクを置き、そこから徒歩で約20分歩く事になる。こんな所を一人で来るのは無謀だと思うのだが、高まる気持ちを抑え切れず、獣道になりつつある林道を歩き続ける。ツキノワグマ・ヒグマ・タヌキ・キツネ・イタチ・テン・等が出てもおかしくないロケーション。おまけに雪中行軍の御一行様も現れてもおかしくない。恐る恐る林道を進んで行くと、川のせせらぎが聞こえて来た。そして、資料の通り、鉄パイプの橋が見えた。中央部分が、ひん曲がっていて、今にも落ちそうだ。恐る恐る鉄パイプ橋を渡り、川沿いに進んで行くと、向こうの方に、何やら人口建造物らしき建物が・・・
獣道化した、林道。何故かブレた写真に・・・
ひん曲がった鉄パイプの橋を渡り・・・
何者かが、目印として赤いテープを木々に・・・
ついに到着した、田代元湯。思わず・・
おぉ!!!っと声を上げてしまった。
今にも、崩れそうな吊橋を渡る。橋の欄干も
かなり錆びており、いつ崩れてもおかしく無い。
廃墟を横目に、恐る恐る歩いて行くと、目の前に素晴らしい!露天風呂が・・・
地元の有志が清掃してくれていて、結構綺麗だった。
誰も居ない廃墟でも源泉は今でも現役。
良質な源泉がコンコンと湧いていた。
こちらは、内湯の建物。かろうじて
脱衣場だけが、無残に残っていた。
内湯の屋根は、無残にも無くなっており、
源泉だけが湯舟に注がれていた。
内湯は藻が多数浮いており、入れる状態では無かった。
こちらは、岩に囲まれた素晴らしい露天風呂。結構、綺麗に清掃されていたので入ろうと思ったのだが、湯が熱くて入れる温度では無かった。
地元有志の方に感謝!^^v念願の田代元湯へ入浴させて頂いた。湯温も丁度いい湯加減だ!

が!!!・・・しかし・・・入浴中、何故か何者かの視線を感じる。それは何か分からないのだが・・・(@o@)クマ?!キツネ?!もしや・・・雪中行軍の亡霊?!なのか?!確かに今・・・ここには自分一人しか居ないはずなのだが・・・
廃墟に今でも湧き続ける現役の秘湯、田代元湯。露天風呂に気持ち良く浸かっていたのだがここで急に雨が降って来る。そそくさと着替えて、残念だが、何者かの視線も感じるので田代元湯を後にする事にした。
来た道を戻る・・・橋は落ちそうでヤバイ。
バイクを置いた場所は、袋小路の下り坂になっており、大型バイクでのUターンは辛かった。(ToT)
田代元湯へのルートは
この看板が目印。
幻の秘湯!田代元湯は幻では無く、廃墟に湧き続ける現役バリバリの秘湯だった。アプローチは容易では無いが、着いてしまえば極上の温泉だ。^^しかし近々ダムに沈んでしまうのが非常に残念だ。田代元湯は地元の有志が大切に清掃されており、現在でも温泉は綺麗に保たれている。またいつか必ず、訪れて見たい秘湯だと痛感した。ここから一路県道40号線を東へ走り、八甲田山を時計周りで、酸ヶ湯温泉へ向う事にした。
銅像茶屋の案内地図には確かに
田代元湯の所在が載っていた。
八甲田山の田代元湯を後に、県道40号線を東に走り、ここから八甲田山をぐるっと時計周りに酸ヶ湯温泉へ。途中にある田代平高原は凄い霧。まるで九州・阿蘇の時を彷彿させるくらいの濃霧。前方30mも見えないくらいだった。酸ヶ湯の手前にある地獄沼で小休止。向かいにある『まんじゅうふかし』に目を取られる。まんじゅうふかしとは足湯の事だった。まんじゅうでも売っているのかと勘違いしてしまう。^^;
リベンジで訪れた酸ヶ湯だったのだが・・・
※画像にオンマウスして下さい。
遅いお昼になったが美味しかった、酸ヶ湯そば
PM 3:15頃、酸ヶ湯温泉に到着。しかしここで体調不良がピークに達していた。おでこが異常に熱い。無謀な入浴の湯当りか?!今回は、リベンジ酸ヶ湯!も公約していたのだが、体調不良の為、あえなく酸ヶ湯への入浴は断念。非常に残念だ。(ToT)お腹も空いていたので、ここで酸ヶ湯そばをいただく。今夜は岩木山の麓にある、岩木青少年スポーツセンターでキャンプを予定していたが、あまりにも体調が悪化して来たので、もうキャンプでの宿泊を限界に感じ、今夜は宿に泊まろうと思い、携帯から嶽温泉にある『高原の宿・山楽』へ宿泊可能か、ダメ元で電話したら、ラッキーな事に1部屋だけ空室があるとの事で、予約を入れる。^^;それに今夜からまた雨と言う予報だったので丁度良かった。リベンジを果たせず、酸ヶ湯温泉を後にし、ここから城ヶ倉大橋を渡り、弘前経由で嶽温泉へと向う。
足湯だった、まんじゅうふかし^^;
幻想的な、地獄沼
途中にある、城ヶ倉大橋。
PM 5:40嶽温泉・高原の宿・山楽に到着。途中また豪雨に遭遇。その時にウエストバックに入れていた、携帯電話が雨水の為、壊れてしまう。水が浸入してしまい、電源が入らない。そうも言っていられず兎に角、宿へ急ぐ。やはり今夜はキャンプなど無理だと思う。それに宿に着くなり雨が深々と降って来た。こう言う時の宿での宿泊はやはりいい。当たり前だが夕食の準備、部屋のおふとんまで敷いて頂けるのだから、ホントありがたい。今夜はふとんでゆっくり寝れば体調も良くなると思った。
結構豪華だった夕食。宿のおかみさんが岩木山で取って来た天然のキノコが夕食に・・・全て食べるのに、結構必死だったくらい多かった。^^;
相棒は、宿の玄関に停めさせて戴いた。宿のおかみさんに、
『バイクで、すが県(滋賀県)から来だの?遠〜がったでしょ?』と言われた。^^;地元の津軽弁で話されたので最初は分からなかった・・・
宿の夜にて。少しづつではあるが、
体調も回復の兆しが・・・
宿での宿泊がこれほど、快適と思ったのは初めてだった。外は雨が降っている。今夜、強行的にキャンプでもしていたら、今頃どうなっていただろう。体調も宿に泊まったお陰で少しづつ回復して来た。今日は、今回の2005東北ツーの最大の目的、田代元湯へ浸かれたが、リベンジ酸ヶ湯は果たせず、少し後悔が残ったが、まずは体調を直す事が先決。今夜は久しぶりに、おふとんで寝れるので嬉しかった。温泉には、体調不良の為、長湯はしなかった。明日は万全の体調を願い、鯵ヶ沢経由で一路、秋田県・男鹿半島へと向う。
本日の走行距離 158Km
自宅より1256.7Km
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